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【ぶどう畑より】大きい粒と美しい房をつくる! 「摘粒」って、なに?

  • ぶどうコラム

ただいま「摘粒」真っ最中です

気がつけばぶどうシーズンまではあと一月半ほど。夏の足音が急速に近づく中、やまふじぶどう園ではぶどうたちが日々すくすくと成長しています。

ぶどうの粒も日に日に大きくなっていくこの時期に必要な作業が「摘粒」と呼ばれる作業です。

摘粒を行った現在のシャインマスカットの様子

 

摘粒とはなにかといえば、文字通りぶどうの房から粒を摘む(取り除く)作業のこと。「もったいない!」と思われるかもしれませんが、実はこの作業、ぶどうの房の形や粒揃いを良くし、裂果や病気の発生も抑える、とても大事な作業なんです。

 

「第1回目のジベレリン処理が終わったくらいから、すべてのぶどうが摘粒の時期を迎えます。それ以前は粒が小さすぎるので、ハサミを入れられませんから。ぶどうの形を造る大事な時期の作業。時間との勝負です」(栽培担当)

 

ぶどうがどんどん育っていく中、ひと房ひと房、最終的にできあがる房の形をイメージしながら、ぶどうにハサミを入れていく。非常に地道でとても重要な作業に、いまスタッフは注力しています。

 

粒の数を減らすことで一粒一粒に栄養が行き渡り、ぶどうの粒は大きく育ちます。また、綺麗な円錐形にもしやすくなります。

また、粒同士が密着していると、粒と粒が押し合って裂けてしまう(=裂果)ことも。粒の密集状態は、風通しが悪くなることで病害虫の発生も促してしまいます。だからこそ、それを防ぐ摘粒はとても大切なんです。

 

マイハートの摘粒作業

この日は、人気ぶどう品種「マイハート」の摘粒作業が行われていました。名前の通り、ハートのカタチが特徴的なぶどうです。

 

上写真は摘粒前の状態。粒と粒がひしめきあった状態です。マイハートはこれからもっと粒が大きくなっていきますから、このままでは満員電車状態になってしまいます。

そこで、下写真のように摘粒を実施します。

 

 

今この段階ではスカスカに見えるかもしれませんが、ぶどうの粒が最大になったとき、もっとも美しい形になるように、計算されているんです。職人技ですね。

 

マイハートについて詳しくはこちら↓

https://www.winery.co.jp/grape/2264/

 

最後に、気になる2025年のぶどうたちの“出来”を聞いてみると、「去年より若干、粒が張りが良いですね。梅雨時期にしては、割と天気が良い日が続いたためだと思います」との答えが現場から返ってきました。

 

というわけで、ひとつひとつ摘粒されてあとは大きく育つのみのぶどうたち。このままどんどん大きくなって、おいしいぶどうになってもらいたいですね!