ホーライサンワイナリー「ほねぬき 2024」をワインブロガーがテイスティングレポート!
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ホーライサンワイナリー「ほねぬき 2024」はどんなワイン?
ホーライサンワイナリーの造る甘口ワイン「ほねぬき 2024」を飲んだ。品種はマスカット・ベーリーA。収穫後、速やかに凍らせたワインを、寒い季節に凍った状態のままゆっくりと搾って造る、すごく贅沢なというか、手間のかかる手法で造られたワインだ。
造り方のレポート記事はこちら↓
ホーライサンワイナリーは、甘口ワインを造るのがうまい。甲州で造るやや甘口の白ワイン「うたたね」や、「ほねぬき」と同じくマスカット・ベーリーAで造るロゼのやや甘口「ゆらめき」など未飲の方にはぜひおすすめしたいワインがラインナップされている。
とはいえ、「うたたね」も「ゆらめき」も区分としては“やや甘口”。それよりさらに1段階甘みの強い“甘口”ワインである「ほねぬき」の味わいはどんなものなのだろうか。さっそく、375ml入りのフロストボトルから、グラスに注いで飲んでみた。
ホーライサンワイナリー「ほねぬき 2024」を飲んでみた!
まず驚かされるのは、ちょっと濁りがある点だ。なんでも、ぶどうの状態を確認して最適な状態を目指したところ、今回の「ほねぬき」はわずかに濁りの残った状態に落ち着いたのだそう。
ホーライサンワイナリーのワインは、どれも濁りのないクリアな外観が特徴なので、これはけっこう珍しい。なのだが、軽く濁った薄ピンクのトロリとした液体は、まるで“すあま”みたいで見た目にとてもおいしそう。
飲んでみると、見た目の印象を裏切らないやわらかくて豊かな甘みがたっぷり。それでいて、酸味、ほんの少しの苦味もあるのでついついて2杯、3杯と手が伸びる味わいになっている。
そして、なにより素晴らしいのが、「ホーライサンワイナリーのマスカット・ベーリーAの味」がちゃんとする点だ。
ホーライサンワイナリーのマスカット・ベーリーAについて
ホーライサンワイナリーのファンの方なら同意していただけると思うのだが、同ワイナリーのマスカット・ベーリーAには、“ホーライサン印”と呼びたくなるような味と香りがする。親しみやすい果実味、はつらつとした酸味、穏やかな渋みと、旨みにつながるかすかな苦みが、まるで4人組のロックバンドみたいに奏でるその味わいが、私はとても好きだ。
この味わいがホーライサンワイナリーのマスカット・ベーリーAを使ったワインには共通してあり、もっといえば同品種をメインで使った「ぶどうジュース 2024」にも同じ味わいが感じられのだが、今回の「ほねぬき 2024」にもそのニュアンスがしっかり引き継がれている。
酸味や渋みがうどんにおけるゆずや七味、うなぎにおける山椒的に効いていることで、この赤の甘口ワインの味わいに深みと奥行きが生まれている。要は飲み飽きないのだ。375mlじゃ足りないよ! ってなるくらい。
豊かな甘さに身を任せれば、時間がノラリ、心はクラリ、ほねぬきに。
「ほねぬき2024」の裏ラベルには、こんな言葉が書かれている。AIが登場して日々の暮らしにゆとりが生まれるかと思いきや、むしろAIに急かされて忙しくなる一方の、なんとも本末転倒感のある毎日のなかで、このワインを飲んでるひとときだけは、ノラリクラリとのんきに過ごせる。「ほねぬき2024」はそんなワインだ。
最近疲れてるな~と感じるみなさん、たまには「ほねぬき」にされちゃうのも、おすすめですよ!
写真と文:ヒマワイン(ワインブロガー)