社長日記 — 蔵から出てきた本「葡萄全書」川上善兵衛
- ぶどうコラム
蔵から出てきた一冊の本
先日、蔵の整理をしていたら、古い本がまた一冊出てきました。
表紙には金文字で「葡萄全書」。

奥付を見ると、昭和7年(1932年)発行とあります。
著者は川上善兵衛氏——日本のブドウ栽培の礎を築いた、伝説的な人物です。
来年、ホーライサンワイナリーは創業100年を迎えます。
この本が書かれたのは、ちょうどその創業まもない頃のこと。
誰がこの本を手に入れたのか。
誰がこのページを開いたのか。
初代重信から祖父である二代目茂森へと託されたのではないかと思っています。
祖父富山県農業試験場で働き、ブドウのことを誰よりも真剣に学ぼうとしていた祖父のことですから、真剣に読み込んだのでしょう。

ページはすっかり日焼けして、紙は乾いてもろくなっています。
それでも文字はしっかりと残っていて、当時の知識と情熱が、そのままそこに閉じ込められているようでした。
受け継いできたのは、土地だけではありませんでした。
知ろうとする姿勢、学ぼうとする意志——そういうものも、この蔵の中に静かに眠っていたのだと思います。
100年という節目を前に、こんなかたちで先人たちの声を聞けた気がして、胸が熱くなりました。
代表取締役 山藤智子