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ホーライサンワイナリー「うたたね 2023」テイスティングレポート

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ワインブロガー・ヒマワインさんがホーライサンワイナリーの「うたたね 2023」をテイスティングレポート! 果たしてその味わいは?(以下、文章はヒマワインさん)

 

ホーライサンワイナリー「うたたね 2023」は甲州の甘口ワイン

明日は大事な期末試験。赤点を免れるためには必死で机にかじりつく必要があるが、いつしかうとうと夢の中……。ウィクショナリーによれば、うたたねとは「寝るつもりはないのに、うとうととその場に寝てしまうこと。」とある。

ホーライサンワイナリー,うたたね

寝ちゃいけない場面、寝るつもりはない状況で寝てしまう。起きたあとは困ったことになる可能性が高いが、その心地良さは説明する必要がないだろう。

ホーライサンワイナリーに、「うたたね 2023」という名前の甘口の白ワインがある。そのワインの飲み心地は、まさしく「うたたね」をしてしまうときの心地よさに似ている。

「うたたね 2023」の使用ぶどうは甲州。甲州といえば日本を代表する白ぶどう品種(正確にはグリ系品種なのだろうが細かいところは置いておきましょう)で、その多くは辛口の白ワインに仕立てられる。

ホーライサンワイナリー,うたたね

私はこの甲州が好きで、しばしば飲む。ステンレスタンクですっきりと造られたものもおいしいし、樽に入れてまろやかにしたものも好きだ。最近だと皮ごと抽出をかけたオレンジワインにするケースも多く、これまた独特の旨みがある。しかし、甘口の甲州は恥ずかしながら飲んだことがなかった。

甲州といえばシャープな酸が特徴の辛口品種。甘くなるイメージがいまいち持てなかったのだが、「うたたね 2023」を飲んで驚かされた。

 

ホーライサンワイナリー「うたたね2023」を飲んでみた

外観は甲州そのものの、無色透明に近い色合い。香りもスダチやカボスなどの日本に自生する柑橘類的なもので、これも典型的な甲州の感じ。なのだが、飲んでみると印象が一変。まるで高山から滲み出る岩清水に白い花の蜜を吸った蜂蜜を溶かし込んだような、爽やかさを伴う甘みが喉を優しく通り抜けていく。

ホーライサンワイナリー,甲州

甘口ワインと「甘ったるいお酒」をわかつのは酸の有無。良質な甘口ワインは酸が甘さと拮抗することで、ただ甘いだけではない絶妙なバランスを保つわけだが、「うたたね2023」の品種は酸が魅力の甲州。しっかりと酸がキープされていることで、飲み飽きることがない。甘いけれども甘すぎず、飲み心地はすっきりと爽やかで、あくまでも甲州という品種をグラスの中に感じることができる。甲州の甘口、おいしいな!

アルコール度数が8%と低いこともあり、スルスル飲めてしまうから飲み過ぎには注意が必要だ。とはいえ、つい予定より少しだけ飲み過ぎて思わずうたたね、というのもまた一興ではあるのだが。

 

写真と文:ヒマワイン(ワインブロガー)

 

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